知り合いがこの週末に摂津峡へ紅葉狩りに行くと教えてくれた。摂津峡。名前は聞いたことがあるけれど、行ったことはない。調べてみると芥川の上流にある。淀川を北上していけば芥川に合流できるから、走っていけそうだ。距離は何キロになるか調べられない。とにかく行ってみよう。
天満橋駅を出発する。以前に淀川で練習していたときは、枚方市まで走って京阪電車に乗って天満橋まで帰って来ることをよくしていた。残念なのが枚方周辺には日帰り入浴できる施設がなく、汗をかく季節には向いていない練習コースだ。今回は摂津峡に温泉があることをリサーチしているので楽しみ。
駅のすぐ東に歩道橋があり、線路をくぐるように短い地下通路がある。そこを抜けると大川に出る。歩道橋を渡れば大阪城公園につながっているので、距離の調整をしたいときも便利。大川から淀川までは約4km、整備されたランニング・サイクリングロードを走る。夜になればOMMビルの明かりが川面に映る叙情的な景色が見られる。桜宮を抜け、毛馬閘門に出る
明治時代に毛馬水門・毛馬閘門ができるまで、大川が淀川の本流だった。川幅が狭く蛇行していたため、たびたび洪水をもたらしていた。そのため大規模な治水工事が計画され、現在の淀川ができた。旧淀川と新淀川の合流点に作られたのが毛馬水門だった。当時の水門はこのさらに下流に残っている。
まだ大阪の地理に明るくないころ、この場所から淀川の手前に梅田の高層ビル群を眺めるというのに違和感があった。直感的には北側のほうがビルを建てるには良さそうだ。ただ歴史を振り返ると、経済の中心であった船場と距離が近く、水運の便が良い梅田がターミナル駅として成長していったのだろう。
ちょうど毛馬水門のあたりで、伊丹空港へ向かう飛行機が高度を下げていく。大阪の中心地にいることを実感する。一方で河川敷はゆったりとした時間が流れており、テニスや野球・フットサルに汗を流す人々や、家族連れ・ランナー・ロードバイクが行き交う。大阪城はエリートランナーがよくポイント練習しているのに対して、淀川のほうはみんなLSDや長距離走という雰囲気だ。
フラットな道をちょうど20km走ると、守口市・寝屋川市を抜けて枚方市に入り、枚方大橋にたどり着く。テトリスみたいな建物が目印だが、関西医科大学の建物で患者・家族用のホテルが入っているのだとか。東には観覧車とジェットコースター。CMでおなじみのひらかたパークだ。
枚方大橋北詰から芥川へ出るのは少し道がややこしい。前調べしてくるんだった。信号にひっかかりそうだったので、一瞬だけ車道に出て、また淀川沿いの道に降りる。皮の合流部で土手に上がる。ここで歩道のない車道を渡らなければいけなかった。東海道新幹線の線路をくぐる。いくつかの道路をまたいで、北へ走る。
芥川桜堤公園を抜けると名神高速までは町中の道路となる。ようやく道標に摂津峡の文字が見え、ゴールが近いのを実感する。上の方は舗装されておらず砂利道がつづく車道に合流すると、すぐ摂津峡公園に入る。地図上の目印にしていた山水館という旅館まで行って、ゴール。
もともと考えていたプランではここで入浴たあとに知人と落ち合うつもりだったけれど、こちらの出発が遅かったのですでに到着しているとの連絡が。なので一緒に周囲を散策したあとに別の温泉施設に行くことにした。山水館は食事も予約が必要みたいだからね。ハイキングコースを歩き、北側の上の口バス停で別れる。目指すは美人湯 祥風苑。2kmほど坂道を下る。こちらは山水館の二号泉らしい。ぬめりけがある湯質で、疲労回復に良さそう。冷えた体を温めたあと、食事処で遅めの昼食を取り、送迎バスで高槻駅まで戻る。
図らずもきりよく30km走となった。淀川を外れてからは信号にひっかかることも多かった。すごく走りやすいかというとそうでもないが、北摂の自然を味わえる良いコースだった。温泉も良かったな。おわり。